2025年の秋季近畿高校野球大会が、いよいよ幕を開けました!センバツ出場をかけた重要な戦いの火蓋が切られた10月18日(土)、奈良県橿原市のさとやくスタジアムでは、1回戦3試合が開催されました。この日は、出場16校によるトーナメントの初日。各校の選手たちが、聖地甲子園への切符を掴むべく、グラウンドで熱い戦いを繰り広げました。
どの試合も緊迫した展開となり、最後の最後まで勝敗の行方が分からない、まさに手に汗握る接戦ばかり。この初日で、東洋大姫路(兵庫3位)、智弁学園(奈良1位)、そして滋賀学園(滋賀3位)が次なるステージへと駒を進めることになりました。本記事では、この記念すべき大会初日の全試合結果を速報でお伝えし、各試合のハイライトや、選手たちの奮闘ぶりを深く掘り下げていきます。高校野球ファンの皆さんと、この興奮を共有できれば幸いです。
【第1試合】東洋大姫路、粘りの逆転で近大新宮を破る
大会初日の開幕戦は、近大新宮(和歌山1位)と東洋大姫路(兵庫3位)が激突しました。結果は1対4で東洋大姫路が辛勝。近畿大会連覇へ挑戦する東洋大姫路が、粘り強い野球で初戦を突破しました。
東洋大姫路のエース、下山大翔投手(2年)は、9回を投げ抜き、被安打9、四死球2、奪三振2、失点1という内容で完投勝利を飾りました。序盤は近大新宮打線に再三チャンスを作られながらも、要所を締めるピッチングで大量失点を防ぎ、味方の援護を待ちました。ピンチの場面でも冷静さを失わず、力強いストレートと変化球を織り交ぜて打者を翻弄する姿は、まさにエースの風格が漂っていました。
一方の近大新宮は、惜しくも敗れはしましたが、9安打を放つなど、打線には力がありました。しかし、あと一本が出ず、なかなか得点に結びつけることができませんでした。9回表にようやく1点を返す粘りを見せましたが、追撃は及ばず。投手陣では、先発の西島大波投手(2年)が、被安打6、四死球5、奪三振3、失点4と、決して悪い内容ではありませんでした。粘り強く投げ続け、強豪・東洋大姫路を相手に奮闘したことは、今後の大きな経験となるでしょう。
この試合の勝負を分けたのは、8回裏の東洋大姫路の攻撃でした。ここまで打力不足を指摘されながらも、「つなぐ」意識を徹底してきたチームの真骨頂が発揮された場面です。小橋快翔選手(2年)が放った2点タイムリー二塁打は、ベンチ、スタンドを大きく揺るがし、一気に試合の流れを引き寄せました。この一打は、チーム全体の勝利への執念、そして日頃の練習で培ってきた「つなぐ」意識の賜物と言えるでしょう。
【第2試合】智弁学園、猛追で近大付を下す劇的勝利
続いて行われた第2試合は、近大付(大阪2位)と智弁学園(奈良1位)という強豪対決となりました。この試合は、点の取り合いとなり、最終的には智弁学園が8対6で近大付を破る劇的な逆転勝利を収めました。
試合は、近大付が序盤から猛攻を仕掛けました。特に注目を集めたのは、小久保成逢選手(2年)の走者一掃三塁打。この一打で一気に試合の主導権を握り、さらに吉岡来輝選手(2年)のソロ本塁打も飛び出すなど、序盤で5点を先制する理想的な展開でした。しかし、強豪相手にこのリードを守り切れるのか、という期待と不安が交錯する中で、近大付打線は中盤以降、智弁学園の投手陣に封じ込められていきます。
対する智弁学園は、序盤の劣勢にも動じることなく、じりじりと反撃の機会を伺っていました。エースの杉本真滉投手(2年)は、9回完投というタフなピッチングを見せ、被安打6、四死球4、奪三振15、失点6という、驚異的な奪三振ショーを演じました。序盤は失点したものの、尻上がりに調子を上げ、近大付打線から次々と三振を奪う姿は、観衆を唸らせました。彼の圧巻の投球が、智弁学園の逆転劇の大きな原動力となりました。
智弁学園の打線は、3回裏に太田蓮選手(2年)の二塁打などで4点を返し、続く8回裏には、志村叶大選手(2年)の三塁打、そして角谷哲人選手(2年)のタイムリーヒットで3点を奪い、ついに試合をひっくり返しました。終わってみれば13安打を放つ猛攻。まさに、チーム全体で勝利をもぎ取った智弁学園の攻撃力が爆発した一戦でした。最後まで諦めないその姿勢が、劇的な逆転勝利へとつながったのです。
【第3試合】滋賀学園、序盤の集中打で乙訓に勝利
大会初日の最終試合は、乙訓(京都2位)と滋賀学園(滋賀3位)による京滋対決となりました。この試合は5対2で滋賀学園が勝利。序盤の集中打でリードを奪った滋賀学園が、そのリードを守り切る形で初戦突破を決めました。
滋賀学園の勝利の立役者となったのは、藤川倖生選手(2年)でしょう。この日、彼は4打数3安打3打点という大活躍を見せました。特に3回裏、島尻琳正選手(2年)の二塁打で勢いづいた直後、藤川選手がタイムリーヒットを放ち、この回に一挙3点を奪いました。この集中打が試合の決定打となり、滋賀学園は大きくリードを広げることができました。滋賀学園の監督も「つなぐ意識が結果につながった」と語っており、チーム一丸となった攻撃が実を結んだ形です。
投手陣では、滋賀学園の伴田蒼生投手(2年)が、9回完投という素晴らしい投球を披露しました。被安打9、四死球5、奪三振4、失点2という内容で、乙訓打線に粘られながらも、要所を締めて得点を許しませんでした。彼の安定したピッチングが、チームの勝利に大きく貢献しました。
一方の乙訓は、小谷優弥選手(2年)が3安打を放つなど奮闘しましたが、チーム全体で9安打を放ちながらも、チャンスを活かしきれず、得点につながりませんでした。強豪ひしめく近畿大会で、あと一歩及ばず初戦で姿を消すことになりましたが、選手たちの懸命なプレーは観る者の胸を打ちました。この経験をバネに、今後の成長に期待したいところです。
大会初日を終えて – センバツへの道のり
2025年秋季近畿高校野球大会の10月18日(土)1回戦は、全ての試合が緊迫した接戦となり、高校野球の面白さを改めて教えてくれる一日となりました。この日、見事勝利を収め、準々決勝への進出に一歩近づいたのは、東洋大姫路、智弁学園、滋賀学園の3校です。
明日、10月19日(日)には、残りの3試合の1回戦が行われます。近江 vs 市尼崎、彦根東 vs 天理、そして大阪桐蔭 vs 市和歌山という、これまた見逃せない好カードが組まれています。特に、優勝候補の一角である大阪桐蔭の初戦には、多くの高校野球ファンの注目が集まることでしょう。準々決勝は10月25日以降に予定されており、センバツ出場権をかけた争いはこれからが本番です。
まとめ:秋の熱戦、センバツへの夢を乗せて
2025年秋季近畿高校野球大会の10月18日(土)は、各校の選手たちが、自らの野球人生、そしてチームの誇りをかけて戦い抜いた一日でした。東洋大姫路、智弁学園、滋賀学園が苦しい試合展開をものにし、次へと駒を進めました。どの試合も、選手たちのひたむきなプレー、粘り強さ、そして最後まで諦めない気持ちがひしひしと伝わってきました。
センバツ出場という大きな目標に向かって、この秋、近畿の地で繰り広げられる熱い戦いは、まだ始まったばかりです。明日以降も、各チームの戦いぶりに注目し、そのドラマチックな展開を追いかけていきましょう。高校球児たちの熱い挑戦が、私たちの胸を熱くしてくれることでしょう。彼らの夢と情熱が詰まったこの大会から、目が離せません。
免責事項
本記事に掲載している試合結果や情報は、速報に基づいています。正確性を保証するものではありませんので、必ず公式発表や日本高等学校野球連盟公式サイトなど、信頼性の高い情報源をご確認ください。